+世界+
お前はずかずかと土足で俺の
世界
に入ってきた
唐突にお前はやって来て、笑顔を俺に振りまいた
何も知らないくせに一方的に……
震えていたのは俺の方かもしれない
あんなこといわれて平気でいられるわけがない
でも―――――
いつからかお前が優しく崩してくれた
俺の世界を
血に濡られ、すえた臭いしかしなかった世界を
もし、もう一度
いつもと変わらない言葉を俺に投げかけてかけてくれたら
俺はもう拒んだりしない
今度は俺がお前の
世界
を崩していく
だから…だから………!
俺以上の「痛み」を背負ったお前に優しく、
お前みたいな笑顔で笑ってみせるよ
俺はお前の震える肩をそっと抱いた
もう
痛んでるのはお前だけじゃない
俺も…俺は………
二度と帰ってこない日常だとしても
俺とお前は変わることのない日常が待っている
だから踏み出す勇気を手に入れた
もう一人じゃない。なんでもできる
境界線を飛び越えて、その先を見据えて……